授業のねらい

主に学校で教えることは、与えられた仕事を上手くこなすための技術だ。
どうすれば仕事が来るか、という部分はあまり学校では教えてくれない。

特に環境デザイン領域では、相手(人・環境)があっての作品であり、絵画等に比べると作品の自由度が限定される。
この授業では、相手のニーズをくみ取って「新しい仕事を生み出す」という目標を掲げる。
そのために必要なスキルを実践的に学ぶ。

世の中のニーズについて、そのアウトプットのイメージが見えないことがたくさんある。
環境デザインの領域では、街並みを美しくしたい、にぎわいを生み出したい、あるいは皆を幸せにしたいといった漠然とした目標がある。
環境デザイン領域における、関係する主体が多いので、まずはニーズを整理し、必要なキャスト(役割を担う人)やリソース(資金やモノ)を集め、実現するための流れを作る。

最初の仕事は、目標となるアウトプットのイメージ、ストーリーを制作し、提示することである。

ビジュアル素材やアクションを伴ったプレゼンテーションで共感を得られれば、次のステップに進むことができる。
イメージ提案としてアート作品で感性にアピールするのは、美大生が取り組むテーマとしてふさわしいものだ。

より高度なプレゼンテーションの方法としては、シミュレーションの技術、映像を駆使した表現がある。
これはかつてはハードルが高かったものであるが、今では映像やゲームソフト制作のための道具を活用することで、デザイナーがより手軽に取り組めるようになった。

多くの人と主体の参加を促す「場」における「合意形成」というプロセス、手法も重要である。
ワークショップの進行方法などの、コミュニケーションのための技術を学ぶ。

一人でできることは限られている。プロジェクトに応じてチームを形成し、守備範囲を拡大する。
その中で、自分の関心、技量にあったポジションを見つけ出し、足りない部分はチーム力にて補うという発想がある。